平成27年7月法語

(いち)(じょう)(みょう)(ほう)()()けば 

()(じょく)(われ)()()てずして

(けち)(えん)(ひさ)しく()()べて 

(ほとけ)(みち)にぞ()れたもふ

7月の法文の歌は、法華経化城喩品第七について詠まれた歌です。大意は、

「一仏乗妙法(一切のものを仏にする優れた教え。法華経のこと)をお釈迦様がお説きになるのを聞くと、五濁(悪い世の中の五つの汚れ・悪世)の世に生まれた私たちを見捨てないどころか、久遠の昔から法華経と仏縁あることを知らせて、仏道に導いてくださるのだ。」

となります。

 この化城喩品では、始めに、仏様の出現が説かれます。仏様の名前は「大通智勝如来」です。「大いなる神通と智慧によってもっとも勝れた仏」という意味です。

 この大通智勝如来は出家する前には国王でした。国王時代には16人の王子がいました。王子たちは、父が成仏したことを聞き、父のもとに向かいます。そして、説法をお願いします。大通智勝如来は、王子たちの願いを聞き、始めに四諦・十二因縁の教えを説き、そして、この教えを理解できた頃、法華経の教えを王子たちに説きました。

 大通智勝如来は、長い間をかけて法華経を説き、説き終わると長い禅定に入りました。大通智勝如来が禅定に入っている間、大通智勝如来に代り、王子たちは、様々な場所で法華経を説いていきます。

 この16人のうち、16番目の王子がお釈迦様であり、今いる弟子たちは、過去、お釈迦様が王子だった時にも法華経を聞いていることが明かされます。これを「宿世の因縁」と言います。

 このようにお釈迦様と今いる弟子たちの因縁を大通智勝如来のお話を通じて、弟子たちにお話になったあと、化城喩品のタイトルになっている「化城宝処の譬え」が説かれます。

 化城宝処の譬えとは、宝のある場所(宝処)に向かって五百由旬という遥かな遠路を旅する多くの人々がいました。しかし険しく厳しい道が続いたので、メンバーが疲れて止まってしまいました。その中に一人のリーダーがいて、三百由旬を過ぎた処で方便力をもって幻の城を化現させ、そこでメンバーを休息させて疲れを癒しました。メンバーが幻の城で満足しているのを見て、リーダーは、この城が仮の城であることを教え、再び宝処に向かって出発し、ついにはメンバーを真の宝処に導いたのです。

 この譬えのリーダーはお釈迦様、メンバーは弟子や衆生、五百由旬の道のりは仏道修行の厳しさや困難、化城は二乗(声聞・縁覚)の悟り、宝処は一仏乗の悟りであり、お釈迦様の化導によって二乗がその悟りに満足せず、仏道修行を続けて、一仏乗の境界に至らしめることを説いています。

大通智勝如来

 法華経では遥か昔の大通智勝如来が出世された時、仏法を信じられず信心を止めようと思った人々が、再びお釈迦様の時代に生まれ、仏様にまみえ、40年あまりの間、様々な教えを説いて仮の悟りを示し理解して、また修行により真の宝である一仏乗の教えに到達

させることを表しているのです。 合掌